大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

名古屋高等裁判所 昭和31年(ネ)314号 判決

名古屋市東区山田東町一丁目五十五番地

控訴人

木下滋康

右訴訟代理人弁護士

竹下伝吉

森健

名古屋市東区白壁町四丁目二十二番地

被控訴人

名古屋東税務署長

佐藤英治

右指定代理人

宇佐美初男

服部守

渾川武

田中定男

加藤利一

右当事者間の昭和三十一年(ネ)第三一四号課税処分並びに滞納処分無効確認請求控訴事件につき当裁判所は左の通り判決する。

主文

本件控訴を棄却する。

控訴費用は控訴人の負担とする。

事実

控訴代理人は原判決を取消す被控訴人が昭和二十七年八月十五日付を以て控訴人に対してなした昭和二十七年度酒税を金六十六万六千七百四十円とする旨の決定は無効なることを確認する被控訴人が右決定にもとずき控訴人に対し昭和二十八年十二月十一日別紙第一目録記載の電話加入権に付、同二十九年六月九日別紙第二目録記載の不動産に付なした滞納処分としての差押は無効であることを確認する訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とするとの判決を被控訴指定代理人は主文同旨の判決を求めた。

当事者双方の事実上の陳述は原判決事実摘示の通りであるから茲に之を引用する。

証拠として控訴代理人は甲第一号証(書面)を提出し原審における証人延金福童同林春子同木下征子並に原告本人及び当審における証人菊田繁雄同山崎哲同菊田隅江並に控訴本人の各供述を援用し乙第一号証の一、二同第二乃至第十七号証はいずれも不知と述べ同第十八乃至第二十三号証の成立を認め同第二十四、二十五号証は不知同第二十六号証の一、二同第二十七号証の一、二同第二十八号証の成立を認め被控訴指定代理人は乙第一号証の一(臨検搜索顛末書写)同号証の二(差押てん末書写)同第二号証(木下征子の質問てん末書写)同第三号証(木下滋康の質問てん末書写)同第四号証(同上)同第五号証(木下滋康こと李板寿に対する検察事務官の供述調書写)同第六号証(李板寿に対する検事の供述調書写)同第七号証(菊田繁雄に対する質問てん末書写)同第八号証(同上)同第九号証(同上)同第十号証(同上)同第十一号証(同上)同第十二号証(同上)同第十三号(同上)同第十四号証(同上)同第十五号証(菊田繁雄の検察事務官に対する供述調書写)同第十六号証(金森征子こと金春子の検察事務官に対する供述調書写)同第十七号証(上申書写)同第十八号証(菊野奈良蔵の質問顛末書写)同第十九号 (同上)同第二十号証(同上)同第二十一号証(牧野鹿次郎の質問顛末書写)同第二十二号証(同上)同第二十三号証(伊藤泰三郎の第二回質問顛末書写)同第二十四号証(村田康一に対する質問てん末書写)同第二十五号証(同上)同第二十六号証の一、二(昭和二十六年酒税犯則者台帳)同第二十七号証の一、二(昭和二十七年度酒税徴収決定決議書)同第二十八号証(鑑定書十通)を提出し原審証人菊田繁雄同山内政見同遊木幸生同石原佑同辻邦司の各証言を援用し甲第一号証の成立を認めた。

理由

当審における証人菊田繁雄、同山崎哲、同菊田隅江並びに控訴本人の各供述を加えてなした当裁判所の判断もすべて原判決の理由の部に記載せられたところと同一であるから原判決の五枚目表六行目の「成立に争のない」とあるを「真正に成立したものと認める」と同七行目の「被告主張」とあるを「原告主張」と各訂正してここに之を引用する(但し右証人菊田繁雄の供述中本件密造酒の買入先は後藤や鈴木であつて控訴人ではない趣旨の供述部分及び右証人山崎哲並びに控訴本人の各供述中本件密造をなしたのは後藤や鈴木等であつて控訴人は之に関係なき趣旨の供述部分は右認定に照し輙く措信し得ない)したがつて原判決は相当であつて本件控訴はその理由なきを以て之を棄却することとし民事訴訟法第三百八十四条、第九十五条、第八十九条を適用して主文の通り判決する。

(裁判長判事 高橋嘉平 判事 伊藤淳吉 判事 木村直行)

第一目録

名古屋中央電話局

東局 第 七二五番

千種局 第二、二七一番

第二目録

名古屋市東区山田東町一丁目五十五番地

家屋番号 第五十五番

一、木造瓦葺平屋建居宅

建坪 十一坪一合

一、木造瓦葺平屋建工場

建坪 三十六坪

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例